特徴
<ソルフィット>は、以下の特徴を持ち、調合香料及び芳香剤の溶剤に用いた場合、安定な香調と芳香剤安定化に寄与します。
- 低臭性:
- 匂いがマイルドです
- 香料化合物との高い相容性:
- 幅広い香料化合物と相容性が高いです
- ユニークな揮発特性:
- 芳香剤の揮発速度の調整ができ、揮発中の組成変化を最小限にします
- 界面活性剤助剤:
- 水系芳香剤において、界面活性剤の使用量を低減できます
用途例
- 調合香料の溶剤
- 芳香剤の溶剤
- 水系ウイック
- 水系ゲル
- リード・ディフューザー
- ファン
- 自動車用
- プラグ・イン
- エアロゾル
- ポンプスプレー
低臭性
<ソルフィット>は、一般的なグリコールエーテル類と比較して、匂いがマイルドです。
各種溶剤の水溶液(溶剤濃度:0~20重量%)を調合し、匂いを確認しました。
- BEG
- エチレングリコールモノブチルエーテル
- BDG
- ジエチレングリコールモノブチルエーテル
- DPM
- ジプロピレングリコールモノメチルエーテル
- PG
- プロピレングリコール
- EtOH
- エタノール
香料化合物との相容性
<ソルフィット>は、DPGなどのグリコールと比較して幅広い香料化合物と相溶性が高いです。
香料化合物の溶剤に対する溶解度を確認しました。(22~24℃)
ソルフィット |
DPM |
DPG |
PG |
IPG |
Vanillin | Ethyl vanillin |
YARA YARA |
Coumarin | Rosacetol | Musk ketone |
Tonalid | Menthol | Linalool | d-Limonene |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
36 | 39 | 12 | 19 | 11 | 9 | 45 | 46 | ∞ | ∞ |
35 | 35 | 17 | 23 | 16 | 9 | 40 | 45 | ∞ | ∞ |
29 | 27 | 8 | 14 | 4 | 2 | 5 | 42 | ∞ | 32 |
36 | 15 | 2 | 8 | 1 | 1 | 1 | 42 | ∞ | 2 |
41 | 20 | 2 | 8 | 2 | 1 | 5 | 43 | ∞ | 10 |
ユニークな揮発特性-1
蒸気圧が香料化合物群のほぼ中央に位置します。
→ 香料化合物と一緒に揮発。
香料化合物と溶剤の各温度における蒸気圧をプロットしました。
ユニークな揮発特性-2 - 水系 -
<ソルフィット>の濃度を変化させることで、揮発速度を制御できます。
液組成の変化が小さいので、安定した香調が得られます。
<ソルフィット>と水の混合液をビーカーに仕込み、重量変化を確認することで揮発特性を確認しました。
- 試験方法
-
300mlのビーカーに、各種濃度に調整した<ソルフィット>と水の混合液(200g)をそれぞれ仕込み、
温度22~24℃の条件下で静置し、混合液の重量と液組成を確認。
ユニークな揮発特性-3 - 溶剤系 -
吸湿が少なく揮発速度とパターンが理想的です。
揮発速度に対しての湿度の影響が小さいです。
→ 安定した香調
各種溶剤をシャーレに仕込み、重量変化を確認することで揮発及び吸湿特性を確認しました。
- 試験方法
-
直径9cmのシャーレに各種溶剤(5.0g)をそれぞれ仕込み、
温度22~23℃、湿度30または40RH%の条件下で静置し、溶剤の重量を確認。
界面活性剤助剤
<ソルフィット>系では、より少ない界面活性剤量で透明な液が得られます。
→ コスト削減
→ 界面活性剤濃度低下により、詰まり、濁りの低減
- 試験方法
-
- 水系芳香剤の処方を作成。
(成分:水、界面活性剤、香料、溶剤、その他) - 溶剤として<ソルフィット>、DPM、エタノールを使用したサンプルをそれぞれ作成。
(溶剤の種類以外の処方は固定して作成。)
→ <ソルフィット>系のみ透明
- 水系芳香剤の処方を作成。

※データは全て(株)クラレで測定