新規環状エーテル系溶媒MTHPについて

MTHP(4-メチルテトラヒドロピラン)は、
THF並みの高い溶解性と、高い安定性、水分離性で
プロセスイノベーションに貢献します。

特徴

1.水との分離性
  • プロセス簡略化
  • 廃水負荷の軽減
2.安全性
  • 過酸化物が生成しにくい
3.安定性
  • 酸、塩基、ルイス酸に対して安定
4.溶解性
  • 有機物、無機塩、樹脂に対してTHFと同様の溶解性
5.様々な反応への利用
  • Grignard反応、有機金属反応、カップリング反応
  • THFに比べ高沸点→より高温での反応が可能

用途展開

反応溶媒
  • 共沸脱水を伴うエステル化、アセタール化
  • 酸クロリドを用いるエステル化
  • Grignard 反応 / カップリング反応
  • 還元反応 (LAH, NaBH4, etc.)
  • n-BuLiを用いた反応 / 水添反応
抽出溶媒
晶析溶媒
コーティング
アニオン重合 / カチオン重合溶媒
ビニル化度の向上

一般情報/品質規格

化学名
4-メチルテトラヒドロピラン
分子量
100.16 (C6H12O)
CAS No.
4717-96-8
純度 (%GC)
>99.0
含水 (ppm)
<200
添加剤
BHT 50ppm(暫定)
荷姿
  • ドラム(160kg)
  • 石油缶(14kg)
  • ISOコンテナ
  • ローリー

基本物性

 
MTHP
THF
2MTHF
CPME
Et2O
1,4-Dioxane
沸点
(℃)
融点
(℃)
密度
(20℃,g/cm3
粘度
(cP)
引火点
(℃)
水への溶解度
(温度,wt%)
溶剤への水の溶解度
(温度,wt%)
共沸点
(℃)(H2O ratio)
SP値*
(cal/cm3)^0.5
105 -92 0.86 0.78 6.5 1.5 1.4 85(19wt%) 9.0
65 -109 0.89 0.55 -15 64(6.0wt%) 9.5
80 -136 0.85 0.60 -11 14 4.4 71(11wt%) 8.9
106 -140 0.86 0.55 -1 1.1 0.3 83(16wt%) 8.4
34.6 -116 0.70 0.24 -45 6.5 1.2 34(1.3wt%) 7.6
101 12 1.04 1.30 11 88(18wt%) 10.0
*Calculated according to “Hansen solubility parameters a user’s handbook 2nd edition, CRC Press, ISBN: 0-8493-7248-8”

国内関連法規

消防法
第四類 第1石油類 非水溶性
化審法
5-6997
安衛法
8-(4)-1740
毒物・劇物・PRTR
非該当

安全性データ

 
急性毒性LD50(経口)
眼に対する腐食性/刺激性
皮膚に対する腐食性/刺激性
Ames試験
染色体異常試験(in vitro)
突然変異
反復投与毒性試験 (ラット経口)
生分解性
魚類急性毒性
ミジンコ急性遊泳阻害 EC50(48hr)
藻類成長阻害
MTHP THF(1) 2MTHF(1) CPME
1000-2000mg/kg(2) 1650mg/kg 300-2000mg/kg 1000-200mg/kg
刺激性 腐食性 腐食性 刺激性
腐食性 軽度の刺激性 軽度の刺激性 刺激性
陰性 陰性 陰性 陰性
陰性(3) 陰性(4) 陰性(5) 陰性
データなし 陰性 陰性 データなし
NOEL=120mg/kg/day(6) NOAEL=111.3mg/kg/day(6) NOAEL=26mg/kg/day(7) NOAEL=150mg/kg/day
難分解性 生分解性あり 難分解性 難分解性
LC50(96hr)>110mg/L LC50(96hr)=2160mg/L LC50(96hr)>100mg/L LC50(96hr)>220mg/L
>100mg/L 3485mg/L >139mg/L 35mg/L
EC50(72hr)>100mg/L EC0(8day)=225mg/L EC50(72hr)>104mg/L EC50(72hr)>100mg/L
  1. Cited by ECHA’s homepage
  2. In-house testing
  3. Species :Chinese Hamster Lung cells
  4. Species :Chinese Hamster Ovary cells
  5. Species : lymphocytes; peripheral human
  6. 28days (a three-month)oral toxicity study in rats
  7. three-month oral toxicity study in rats

水との分離性によるプロセス簡略化

工程簡略化と廃水負荷低減が可能

安定性

<酸・塩基に対する安定性>

エステル化、アセタール化、カチオン重合(酸触媒)
LAH還元(酸性条件での後処理)、酸クロリドを用いたエステル化など、厳しい条件下での反応に有効。

<ルイス酸に対する安定性>

<アルキルリチウムに対する安定性>

試験条件
  • 1.6M n-BuLi/ヘキサン溶液 30ml
  • エーテル溶媒 30ml
  • 温度;50℃

反応速度と半減期

  K1 半減期
MTHP 0.27 2.4hr
THF 4.91 0.1hr
2MTHF 0.69 0.8hr
CPME 0.13 5.6hr

<耐酸化性>

試験方法
  • 酸化防止剤を除去後、25℃、空気中で撹拌。
  • 発生した過酸化物をKlと反応させ、
    遊避したヨウ素をチオ硫酸ソーダで滴定。

溶解性

<金属化合物の溶解性>

<樹脂の溶解性>

樹脂の種類 MTHP THF 2MTHF CPME
ABS
アクリル樹脂
ポリスチレン
塩化ビニル(PVC)
ポリカーボネート(PC)
フッ素樹脂
スチレンブタジエンゴム(SBR)
ポリウレタン(PU)
ブチル樹脂 × ×
ナイロン−6 × × × ×
フェノール樹脂 × × × ×
ポリプロピレン(PP) × × × ×
高密度ポリエチレン(HDPE) × × × ×
低密度ポリエチレン(LDPE) × × × ×
テフロン × × × ×
試験法
  • 溶媒の中に試験片を50℃,7日間浸漬後、試験片の大きさを測定し、体積膨張率を算出。
  • 体積膨張率に応じて、次の通り評価。
    100%以上, 溶解
    30%から100%
    ×
    30%以下

合成反応例

<Grignard反応>

  MTHP 2MTHF THF*
Yield
In Org. Layer
83.9 70.5 0.0
Yield
In Aq. Layer
= Loss !
0.9 2.5
* Grignard reagent was not generated in THF

<LAH還元>

MTHP enable to reduce the loss of products and the use of solvents.
  Loss in Aq.
Layer 1
Loss in Aq.
Layer 2
Total Yield Solvent
recovery
MTHP Prod. 2%
Solv. 2%
Prod. 5%
Solv. 2%
82% MTHP 85%
THF Prod. 15%
Solv. 35%
Prod. 5%
Solv. 3%
68% THF 60%
Ester 87%

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